有機フッ素化合物(PFOA、PFOSなど)について

更新日:2024年07月05日

環境省が実施した全国的なPFOA及びPFOSの存在状況把握調査の結果、摂津市内の井戸より、PFOA及びPFOSの合算値が令和2年に国が示した暫定的な目標値等を超える濃度で検出されました。

当該調査井戸及びその周辺において、地下水が飲用に供されていないことは確認しておりますが、PFOA及びPFOSの現状についてお知らせします。

なお、令和5年1月に環境省が設置した「PFASに対する総合戦略検討専門家会議」の監修の下で、令和5年7月時点での科学的知見等に基づいた、「PFOS、PFOAに関するQ&A集」が作成されておりますので、こちらも併せてご確認ください。

「PFOS、PFOAに関するQ&A集」

有機フッ素化合物(PFOA及びPFOSなど)とは

PFOAはペルフルオロオクタン酸(Per Fluoro Octanoic Acid)の略称、PFOSはペルフルオロオクタンスルホン酸(Per Fluoro Octane Sulfonic Acid)の略称で、いずれもフッ素を含む有機化合物の一種です。
PFOA及びPFOSは、撥水性と撥油性を併せ持つ特異な性質を有していることから、これまで様々な表面処理の用途に使用されてきました。

★主な用途
・PFOA・・・泡消火薬剤、繊維、電子基板、自動車、食品包装紙、石材、フローリング、皮革、防護服 等
・PFOS・・・泡消火薬剤、半導体、金属メッキ、フォトマスク(半導体、液晶ディスプレイ)、写真フィルム 等

特徴や人への影響について

〈特徴〉
PFOA及びPFOSは、化学的に極めて安定性が高く、水溶性かつ不揮発性の物質であるため、環境中に放出された場合には河川等に移行しやすく、また難分解性のため、長期的に環境に残留すると考えられています。

〈人への影響〉
人の健康への影響については、各国・各機関で知見が集積されつつあるものの、現時点において、発がん性等の毒性について国際的に統一された評価値はありません。

国際的な動きとして、世界保健機関(WHO)傘下の一機関である国際がん研究機関(IARC)が発がん性を評価し、その結果を令和5年11月30日に公表しています。

IARCは、PFOAをグループ1(ヒトに対して発がん性がある)に、PFOSをグループ2B(ヒトに対して発がん性がある可能性がある)に分類しました。

なお、この発がん性分類は、ヒトに対する発がんの原因となり得るかどうかの根拠の程度がどれくらいあるかを示すものです。各要因の発がん性の強さを示すものではなく、また、ヒトが実際の生活環境下で摂取(ばく露)したときに実際にがんが発生する可能性の大きさとその影響の程度(リスク)を示すものでもありません。

IARCの評価結果に関するQ&Aを内閣府食品安全委員会が情報提供しておりますので、ご参照ください。

PFOA及びPFOSに対するIARCの評価結果に関するQ&A

また、食品安全委員会では、健康影響について、食品健康影響評価(令和6年6月)の中で、海外評価機関による評価書を踏まえて、エンドポイント(有害影響を評価するための指標となる生物学的事象)ごとに、検討がなされております。

●エンドポイントごとの検討結果

肝臓

• 増加の程度が軽微であること、のちに疾患に結びつくか否かが不明であり臨床的な意義が不明であること等から、影響を及ぼす可能性は否定できないものの証拠は不十分であり、指標値を算出することは困難

脂質代謝

甲状腺機能と甲状腺ホルモン   •知見が少なく、また、結果に一貫性がないため、影響があるまでは言えないと判断
生殖・発生

• 疫学研究:出生時体重低下との関連は否定できないものの知見は限られており、出生後の成長に及ぼす影響については不明であり、指標値を算出するには情報が不十分

• 動物試験:出生児への影響について複数の報告が同様の結果を示し、証拠の確かさは強い

 ただし、動物試験の結果は高用量でみられた影響であり、疫学研究でみられた出生時体重の低下とは分けて考えることが適当

免疫

• ワクチン接種後の抗体応答の低下について、可能性は否定できないものの、これまで報告された知見の証拠の質や十分さに課題があり、指標値を算出することは困難

神経

• 評価を行うには知見が不十分

遺伝毒性

 • PFOS、PFOA、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸)  は、直接的な遺伝毒性は有しないと判断

発がん

• PFOAと腎臓がん、精巣がん、乳がんとの関連については、関連がみられたとする報告はあるものの、ほかに関連がなかったとする報告もあり、結果に一貫性がなく、証拠は限定的

• PFOSと肝臓がん、乳がん、PFHxSと腎臓がん、乳がんとの関連については、証拠は不十分

発がん性について、「限定的」とは、関連がみられたとする報告はあるものの、ほかに関連がなかったとする報告もあり、結果に一貫性がない場合に、「不十分」とは、関連がみられたとする報告はあるものの、症例数の規模が小さいなどから証拠としては不十分である場合に用いられています。

食品安全委員会におけるPFOA、PFOSを含むPFASの健康影響に関する評価の詳細は、次のPFASの評価に関する情報をご参照ください。

有機フッ素化合物(PFAS)の評価に関する情報

規制の状況について

PFOA及びPFOSは、残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs(ポップス)条約)で、製造、使用、輸出入を原則禁止する物質に挙げられており、国内では、化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律(化審法)に基づき、PFOSは平成22年4月以降、PFOAは令和3年10月以降、原則として製造、輸入及び使用が禁止されています。

また、令和5年2月にPFOA、PFOS及びその塩が水質汚濁防止法の指定物質に追加されました。指定物質を製造等する施設を設置する工場等の設置者は、指定物質が事故により公共用水域等に排出され、人の健康や生活環境に被害が生じるおそれがあるときは、速やかに応急措置を講じるとともに、知事への届出が義務付けられています。

公共水域等の基準について

PFOA及びPFOSは、令和2年5月に、水質汚濁に係る要監視項目(注1)に指定され、河川や地下水などにおける暫定的な目標値(指針値)として、PFOA及びPFOSの合計値で1リットルあたり50ナノグラム以下(注2)とされました。

(注1)要監視項目: 「人の健康の保護に関連する物質ではあるが、公共用水域等における検出状況等からみて、直ちに環境基準とはせず、引き続き知見の集積に努めるべきもの」として、現在、公共用水域では27項目、地下水では25項目が設定されています。
(出典:環境省ホームページ「要監視項目」)

(注2)ナノグラム:10億分の1グラムを示す単位

飲料水の基準について

飲用水については、厚生労働省が令和2年4月からPFOA及びPFOSを水質管理目標設定項目(注1)に位置付け、暫定的な目標値は、上記の公共水域等と同様に、PFOA及びPFOSの合計値で1リットルあたり50ナノグラム以下となっています。

(注1)
水質管理目標設定項目:「水道水中での検出の可能性があるなど、水質管理上留意すべき項目」として、現在14項目が設定されています。

(出典:環境省ホームページ「水道水質基準について」)

 

なお、摂津市が供給する水道水について、定期的にPFOA及びPFOSの濃度測定を行っておりますが、暫定目標値を超える数値は検出されておりませんので、ご安心ください。

●直近の水道水の水質検査結果

自己水(太中浄水場)
採水年月日 R5.5.18 R5.9.5 R6.1.16 R6.5.7

PFOA及びPFOSの合算値(ng/ℓ)

15 5未満 5未満 9

(出典:摂津市上下水道部ホームページ「水道水質検査結果」)

(出典:大阪広域水道企業団ホームページ 「受水市町村分岐等における水質検査結果」)

土壌や食物(米・野菜等)の基準について

〈土壌〉

土壌に関する指針値等の基準は、ありません。

〈食物〉

食品安全委員会が現時点(令和6年6月)の科学的知見に基づいて、食品健康影響の指標値として、耐容一日摂取量(TDI:毎日摂取し続けても、健康への悪影響がないと推定される一日当たりの摂取量)をPFOAは20ng/kg/体重/日、PFOSは20ng/kg/体重/日と設定しています。

耐容一日摂取量に関する詳細は、次のQ&A(Q7-1)をご参照ください。

PFAS評価書に関するQ&A

 

〈国における研究〉

国において、土壌や食物に関する次の研究が行われています。

●環境省

令和3年度から3年間、環境研究総合推進費を用いたPFOA等の土壌中の挙動予測、どのように効率的に除去できるかといった除去技術の開発等をテーマとした研究が行われています。

(環境研究総合推進費の進捗)

「研究課題名:土壌・水系における有機フッ素化合物類に関する挙動予測手法と効率的除去技術の開発」

●農林水産省

令和4年度に、安全な農畜水産物安定供給のための包括的レギュラトリーサイエンス研究推進委託事業において、「水、土壌等、農業環境からの農産物へのPFOA等の移行に関する基礎研究」が行われ、その結果が公表されています。また、令和5年度から5年間かけて、「農産物中PFASの分析法の確立、農地土壌、水等からのPFAS移行特性の解明」をテーマとした研究が立ち上がっています。

農業環境(水、土壌等)からの農産物へのPFOA及びPFOS等のPFASの移行(蓄積動態)に関する基礎研究成果報告書

農作物中PFASの分析法の確立、農地土壌、水等からのPFAS移行特性の解明

PFOA及びPFOSの調査結果について

〈環境省の調査結果〉
環境省が、PFOA及びPFOSの水環境における全国的な存在状況を把握するため、令和元年度及び令和2年度に全国存在状況把握調査を行いました。その結果、市内の地下水より、PFOA及びPFOSの合算値が国の暫定的な目標値を超える濃度で検出されました。
なお、当該地下水を採取した調査井戸及びその周辺において、地下水が飲用に供されていないことを確認しております。

 

●令和2年度環境省調査結果

No.

地点区分

PFOA及びPFOSの合算値(ng/ℓ)

79

地下水

25

80

地下水

170

(出典: 環境省ホームページ「令和2年度有機フッ素化合物全国存在状況把握調査結果」)

 

●令和元年度環境省調査結果

No.

地点区分

PFOA及びPFOSの合算値(ng/ℓ)

93

地下水

1,855.6

(出典: 環境省ホームページ「令和元年度PFOS及びPFOA全国存在状況把握調査結果」)

 

〈大阪府の調査結果〉
規制指導を所管する大阪府が、摂津市内で過去に PFOA を取り扱っていた事業所周辺の公共用水域及び地下水において、PFOA 等が暫定指針値を超過して検出されていることから、継続的に監視を行うことを目的に、摂津市内の水路及び地下水の水質調査を実施しております。

●直近の調査結果

PFOA等に係る水質調査結果(令和5年8月)

●これまでの調査結果

大阪府ホームページ「PFOA等調査結果」

国における検討の状況について

PFOS、PFOA及びPFASに係る科学的知見の集積並びに国際的な動向を踏まえ、国においても専門家会議等が設置され、水質の目標値等の設定や食品の摂取による人の健康への影響に関する検討が行われており、令和6年6月には食品安全委員会による食品健康影響評価として、PFASの食品健康影響評価が行われました。本市では、今後とも国の動きについて注視していきます。

PFOS・PFOAに係る水質の目標値等の専門家会議

PFASに対する総合戦略検討専門家会議

内閣府食品安全委員会:PFASワーキンググループ

 

今後の対応について

摂津市内の地下水については飲用利用がないこと、水道水については暫定目標値を下回っていることを確認しておりますが、引き続き、地下水の飲用利用は控えていただくようにお願いします。
また、環境省・厚生労働省が策定した「PFOS及びPFOAに関する対応の手引き」に基づき、ばく露防止の観点から、地下水等の継続監視及び規制指導を所管する大阪府と連携して対応してまいります。

(出典:PFOS及びPFOAに関する対応の手引き

 

参考(出典:大阪府ホームページ「PFOA及びPFOSとは」)