誰もが笑顔になれるスポーツをいつかオリンピック競技に

更新日:2023年10月03日

 

フレスコボール(※1)は、誰もが笑顔になれるスポーツだと語る杉村秀樹さん。しかし、まだまだ認知度が低いスポーツです。杉村さんにフレスコボールとの出会いから魅力までたくさんお話いただきました。

 

杉村 秀樹さん

摂津市在住。フレスコボールの選手として、2021年有明カップで優勝。一般社団法人日本フレスコボール協会のローカルコミュニケーションマネージャーとして、フレスコボールの魅力を伝える活動をしている。日本代表を目指しながら、日本全国にチームを作る目標もかかげ、二足の草鞋で日々活動中。

 

 

 

よくわからないけど「やってみるしかない」

ーフレスコボールに出会ったきっかけは?


小学生から大学2年生の秋まで、ずっと何かのスポーツに没頭してきましたが、大学でやっていたソフトボールを休部した時、何か違うスポーツをやりたいと思って、調べ始めたのがきっかけです。そんな時、X(旧:twitter)をふと見てみると、名前も知られていないマイナースポーツがたくさん目に入ってきました。当時(2019年)、フレスコボールの日本代表の方が頻繁に発信されていて、そこで初めてフレスコボールの存在を知りました。ラケットを持ってボールを打ち合っている動画が投稿されていましたが、どういうスポーツかはその時すぐにはわかりませんでした。そこで、好奇心旺盛な私は「やってみるしかない」と直感的に思い、「体験させてください」とすぐにメッセージを送信していました。

東京の体験会で、当時の日本代表ペアの方に教えてもらうことになりましたが、そこで大ハマり。関西にもチームがあることを教えてもらい、友達と一緒に毎週ビーチに行って、フレスコボールをするようになっていました。

 

ーフレスコボールの魅力とは?


自分がフレスコボールに感じる魅力は、コミュニケーションが取りやすい点です。ボールを打ちながらも話せるので、距離感がちょうどよく、初めて体験した人は、絶対に仲良くなって帰っていくほど、打ち解けやすいです。

また、ラリーの回数を決めて打ち合うこともできるので、目標を立てやすいです。目標が達成できたら一緒に喜べるところも、他のスポーツにはない特徴だと思います。フレスコボールは、勝ち負けが重要というよりはペアとのラリーをいかにつくりあげるか、いわば「競争する」のではなく、ラリーを「共創する」スポーツ。そういう意味では、人間力がつくスポーツだなと感じますね。

 

フレスコボール選手兼協会スタッフへ

ーフレスコボールの選手としての活動は?


フレスコボール選手として活動して、5年目になります。日本各地で開催される全ての大会に出場し、日本代表を目指しながら、個人で普及活動もしています。元々、個人でやってきたイベントが段々と規模が大きくなり、フレスコボール協会から普及活動を頑張ってほしいと依頼を受けて、現在はフレスコボール協会のスタッフと選手の両立で頑張っています。

 

ーどのようにフレスコボールを広めていますか?


各地で体験会を開催したり、イベントに参加することで、フレスコボールの普及に務めています。自身が主催で行う体験会はたくさんあり、東京や福岡、宮城の気仙沼、岩手の陸前高田などで開催しています。陸前高田には、チームもあって、そこのチームとコラボして体験会を開催したりもしています。

また、大きいスポーツイベントでは、ブースを出展して体験会を行うこともあります。先日、ジャパンビーチゲームフェスティバルという、ビーチスポーツの祭典で、体験会のブースを担当していました。このイベント内で、フレスコボールの大会もしています。通常は、開催期間中の約2.3日で500人ほど体験者が来たら良い方ですが、今回のイベントでは、1日で500人ほど体験者が来て、やはり、大きなイベントは、アピール力が違うなと感じました。こんなにも面白い競技なのにまだまだ知られていないのがもったいないなと思っているので、もっと広めていきたいなと思っています。

フレスコボールをいつかオリンピック競技に

ー今後の目標は?


まず、今年の目標は、フレスコボールの日本代表になることです。今年1年本気で目指してみようと思います。

そして、将来的な目標は、2025年までに47都道府県にチームを作るというフレスコボール協会の目標に貢献できればと考えています。理想は日本一周しながら、2025年までにチームができるきっかけ作りをしていき、気づいたら全国にチームができているということが理想です。日本で普及できたら、世界にも、そして最終的には、フレスコボールがオリンピック競技になり、自身が日本代表の選手として出場できればと思います。

ー最後にフレスコボールをやったことのない人、やってみたい人へ


フレスコボールは、ビーチスポーツではありますが、ノーバウンドで打ち合う競技なので、近所の公園など、ラケット2本とボールさえあれば、“いつでもどこでも誰とでも”プレーできるスポーツです。大会だと親子やカップルで出場する人もおり、またそういった参加者と日本代表選手が同じ舞台でやることも多く、年齢や性別、障がいの有無など関係なく、みんなが同じ舞台でできるスポーツです。興味を持ってもらえたら、日本中どこでも駆けつけるので、気軽に声をかけてくださいね。

※1 フレスコボールとは

フレスコボールはブラジル・リオデジャネイロ発祥のビーチスポーツ。

1945年にリオ・デ・ジャネイロのコパカバーナビーチで生まれ、日本には2013年にやってきた。

競技内容は”味方同士”のラリー。「競争する」のではなく、ラリーを「共創する」スポーツ。ペアとの距離を7mに保ちながら相手の打ちやすいところへお互いが打ち返してラリーをするところから「思いやりのスポーツ」とも言われている。

&わたし