児童センターでの繋がりから、音楽の道へ

更新日:2021年12月20日

深田智英さん

プロのリコーダー奏者の深田智英さん。最後の一音の余韻にこだわり、聴いた人の心に残る演奏を目指されています。また、子どもたちへの指導も熱心で、スキルを教えるだけでなく、音楽の楽しさ、団結感を高めることをモットーに指導されています。

深田智英さんインタビュー

深田 智英さん

摂津市在住。市で生まれ育ち、小学生の時に市児童センターのリコーダークラブに所属。大学で古楽器(リコーダー)を専攻。在学中からプロのリコーダー奏者として、演奏活動を開始。卒業後は児童センター等でのレッスンの講師も務める。台湾でのリコーダーフェスティバルの出演や、自身のソロリサイタルなど幅広く活躍されている。

 

恩師からの声「君なら演奏家になれるよ」

ーリコーダーを始めたきっかけは何ですか?


小学校の授業が最初に始めたきっかけでしたが、友達に誘われて児童センターのリコーダークラブにも所属しました。もともとピアノを習っていて、楽譜も読めたので楽しく活動していましたね。クラブでは合宿があったり、発表会があったり、友達や先生との思い出がたくさんあります。発表会では、あまりないことなのですが、ソロで吹かせてもらえるパートをいただいて、嬉しかった記憶があります。

ーなぜプロになられたのですか?


リコーダークラブを卒業後、ピアノは続けていたものの、リコーダーとは縁のない中学・高校生活を過ごしていました。

ただ、高校2年生で進路について、悩んでいた時に、小学生の時に流行っていたサイン帳に児童センターの先生から「かなりリコーダーが上手です。音楽大学にも入れると確信しています。」と書かれていたのを思い出し、古楽器科のある音大に進学しました。

大学でご指導いただいた先生が、サイン帳にコメントをくれた児童センター時代の先生でもありました。一般の会社も含め就職活動をしていたのですが、将来の悩みを相談すると「リコーダーを続けていくと良いんじゃない。サポートするよ」と背中を押していただき、それをきっかけに在学中から「ガナッシュリコーダーアンサンブル」のメンバーとなり、演奏家としての活動を始めました。音大に入ったのも、プロの演奏家として活動しようと思ったのもその先生が背中を押してくれたことが大きいですね。

深田智英さん演奏写真

 

次世代に繋がっていくクラブ

ーリコーダークラブでの講師はいつから始められたのですか?


児童センターのリコーダークラブは、せっかく卒業生がプロになり、音楽の道に進むのであればと大学卒業後に講師のお話をいただき、そこから10年以上も務めさせていただいています。

毎週土曜日に小学生に教えていて、児童センターでのクリスマス会やおまつりなどのイベント、地域の公民館まつりなど、たくさんのイベントに向けて練習しています。

ここに来る子どもたちは、全員が楽譜を読めるわけではないので、分かりやすく音符の種類や長さ、リズムなど基礎的な事柄を伝え、リコーダーが楽しいと感じてもらえるように指導しています。集中力の持続が難しいので、30分に1度休憩して、友達と楽しく会話をする時間も設けています。楽しさはもちろん、皆でやっている団結感を大事にしていますね。

リコーダークラブでの練習風景

ーどんな時にやりがいを感じますか?


「私も先生みたいに、リコーダーのプロになりたい!」と言われることや、早く来て練習を頑張っている姿を見るとすごくやりがいを感じますね。

卒業するときには「これから中学生になったら嫌なこともあると思う。そんな時はここに遊びに来てね。」と言っているのですが、実際に毎年、卒業生がたくさん来てくれています。せっかくの休みに来てくれたり、お菓子を持ってきてくれたり。高校生、大学生になっても顔を出してくれる子がたくさん。その様子を見ている子たちも卒業後、同じように遊びに来てくれるので、児童センターでの縁がずっと繋がっていくことがうれしいな!と思います。

 

利便性が良く、魅力あふれる摂津市から

ー他にはどんな活動をされていますか?


児童センター以外でも、自宅での個人レッスンや音楽教室の講師として、指導しています。演奏家としては、コロナの影響で最近は活動できていないのですが、ソロでのコンサートの他、「ガナッシュリコーダーアンサンブル」「アジアンリコーダーソロイスツ&コンソート」のメンバーとしてコンサートを開催。コロナ禍の前ではありますが、台湾でのリコーダーフェスティバルへの出演させていただいたことも。

演奏家としては、最後の一音が「美しい」音だと、余韻が残る良い演奏だと感じていただけると思っていて、最後まで気を抜かない音作りを意識しています。なので「良い演奏だったよ」「美しい音だったよ」と褒められるとすごくうれしいですね。

ソロリサイタル

ー今後していきたい活動は?


コロナ禍の前にはソロ演奏会の第1回を開催したので、安心して人が集まれる社会が戻れば、また第2回も開催したいですね。前回はとてもありがたいことに、たくさんの方に聴きに来ていただけました。

他にも、具体的には何も決めていませんが、リコーダーを今から始めたいと思っている初心者の方や、お家でリコーダーを練習したい小学生に向けてのYouTubeなどの配信にも今後の活動の視野に入っています。

私は子どもの頃から、近所の公園でたくさん遊んだり、父が駅前のお店でシューアイスを買って来てくれたり、摂津市には楽しい思い出がたくさんあります。神戸や京都にも行きやすく、交通網がすごい便利な街。阪急正雀工場や新幹線鳥飼車両基地などもあって、鉄道好きの方から有名ですよと言われることも。これからも摂津市を拠点に演奏家として、講師として、音楽を奏でていきたいと思っています。

 

 

&わたし