パンを食べて健康に

更新日:2021年09月10日

山岡社長

摂津市南別府町にあるパン工場「リバーフィールド」の代表取締役、山岡和美さん。できるだけ無添加で、素材にも味にもこだわりが。食べた人が笑顔になるようにと願いを込めてパンを作られています。パンへのこだわりや地域との関わりについてお伺いしました。

山岡社長インタビュー

山岡 和美さん

摂津市在勤。旅行会社のツアーコンダクターとしてヨーロッパの食文化を体験。その後色々なご縁があり、2007年に「株式会社リバーフィールド」の代表取締役に就任。どこにもないパン工場を目指し、一流ホテルや有名レストラン、高品質スーパーにパンを届け、多くの人を笑顔に。スタッフからは「かずみん社長」と愛着を込めて呼ばれている。

 

 

ヨーロッパでの経験を活かして

ー社長になったきっかけは?


もともとは旅行会社でヨーロッパのツアーを企画していて、年に4、5回ヨーロッパへツアーコンダクターとして訪れる機会に恵まれ、現地のパン(食文化)に親しみがありました。

当時のリバーフィールドのオーナー会社がパンの製造会社を引き受けることになり、2000年に摂津市へ移転。私も当時の社長とご縁があり、ホテル等にパンを紹介するコンサルティング営業をしていました。しかし、工場の責任者が小麦アレルギーになり、とりあえず代わりに責任者を任されました。代わりが見つからず、みんなで頑張っているところにオーナー会社が倒産してしまいました。

自分で開拓した取引先も多く、スタッフも含め、ここで潰してしまうと迷惑がかかる。何とかしたい。何とかできるのでは。と社長を引き継ぐことにしました。

 

ーどんな会社を目指したのですか?


社長になった頃は、必死に目の前のことをやってきました。しかし、ようやく軌道に乗ったかなと言う時に、東日本大震災の影響などいろんな要因が重なり、売り上げが40%ぐらい失うということが起こりました。これではまずいと、経営の勉強をするようになり、経営理念とか事業目的を考えるようになりました。大手のパン屋との差別化を図りながら、この規模でホテルなどへの製造卸販売100%の会社は他になく、先生になる企業もなかったこともあり独自路線でいこうと。

「食べて健康になるパン」そんなパンを作って提供したい。その想いから、できるだけ添加物を使わないパンを作り、パンの卸し先も、「安全・安心」をモットーにしているスーパーさんなど同じような志を持った企業さんに納品するようになりました。

パン工場
パン工場2
パン工場

 

雨の日も、晴れの日も笑顔に

ーパンにはどんなこだわりがありますか?


オリジナルブランドのリールのパン。リールはフランス語で「笑う」と言う意味です。雨の日も、晴れの日も、笑顔になれるように。パンを食べて笑顔になってもらえるよう意味を込めています。

健康をモットーにできるだけ添加物を使わず、素材にも味にもこだわっている。工場では多くを機械に頼らず、スタッフの手作りの部分も多いですね

 

パン工場 写真

ー病院にパンを寄附する活動をされていますね


「ほっこり・にんまりプロジェクト」として、コロナ禍で医療従事者の皆さんに少しでも感謝の気持ちを届けられればと願い、ご賛同いただいたお客さまにご購入いただいたり、チャリティーイベントを開催した分の「摂津あんぱん」を病院へ寄附しています。

2004年ぐらいに「摂津」の名前がついた「摂津あんぱん」を取引先のスーパーさんと一緒に開発した、「食べると幸せになるパン」として、素材にこだわり、たくさんのあんこを包んだパンです。私たち活動のほんの一部ですが、地域貢献に繋がればと思います。

摂津あんパン

 

摂津のはしっこで、摂津を広報

ー地域の人との交流はありますか?


ホテルやスーパーへの製造卸しの会社なので、これまで地域の方にも知られておらず、特に知られようとも思っていませんでした。そんな時、コロナの影響で取引先への納品が減り、売上がほぼ半分に。スタッフにも危機感を感じてもらい、意識を変えてもらおうと、工場の敷地内で「ごきげんマルシェ」を開催するようになりました。パンを販売するだけでなく、地域の人が楽しめるイベントにしたいと考えました。

近くの工場の経営者さんも、駐車場を開放してくれたり、お手伝いに来てくれたり。嫌事を言われることもなく、温かく見守っていただいています。参加した地域の皆様からも、「最近は子どもたちの遊ぶところが少なく、七夕とか祭りとか行けるところがなかったので楽しい」「週に1回の楽しみ。ここが憩いの場になっている」と喜んでもらえています。参加者の子どもたちに、周辺の工場の壁面にペンキを塗ってもらったのですが、この辺が明るくなった。と喜んでいただいています。

今までは摂津市や地域との関わりが希薄でしたので、今後は「摂津のはしっこで、摂津を広報」していきたいですね。

パンマルシェ
パンマルシェ
パンマルシェ

ーこれからの夢は?


この会社を存続させるために、「食べて、健康になるパン」を追求していきます。

また、パン工場のあるこの地区を笑顔あふれるテーマパークにする「Rire Land(リールランド)構想」と名付けて様々な取り組みを始めています。パン工場としてだけでなく、リールのぱんの森楽団を結成し、ウクレレワークショップやチャリティーコンサートをしたり、もぐもぐの木を植えたり。笑顔が生まれるパン、おいしい、楽しい、嬉しい、ごきげんのタネを蒔いていきたいですね。緊急事態宣言が続く中、私たちのがんばれる心の支えにもなっています。

そのためにもスタッフの社員やパートさんたちが元気でないといけないと思っていて、「ごきげんさんビジョン」を掲げ、お客さまにごきげんさん(幸せ)を届けるには、まずお届けする私たち自身がごきげんじゃないと相手に伝わらないと意識してもらっています。マルシェに参加してくださる皆さんから「働いている皆が、生き生きして楽しそう」と言ってもらえているので、少しずつ浸透してきているのかなと思います。

これからも地域に愛される会社を目指していきたいです。

 

 

&わたし