ママの笑顔あふれる社会へ

更新日:2021年04月21日

新田昌恵さん

 

「ママ自身が楽しめる居場所をつくりたい」今から10年前、専業主婦で育児に追われる中、先生もママ、生徒もママのサークル「マミー・クリスタル」を摂津市で立ち上げた新田昌恵さん。昨年9月に子連れ習い事&託児付きサロン「マミクリ*place」を摂津市駅前にオープンし、コロナ禍で深刻化する孤独育児に悩むママ達の居場所になっています。居場所作りのために大切にしていることをおうかがいしました。

 

新田さんインタビュー

新田 昌恵さん

摂津市在住。市に引っ越して半年後の2011年5月にサークル「マミー・クリスタル」を設立。地域のママ達の声から生まれた5000人以上の人が来場するイベント「摂津まるごとマーケット」を主催。仕事も増え、より幅広く展開するため、「株式会社マミー・クリスタル」を2019年12月に創業。同代表取締役。起業家として大阪府ビジネスプランコンテスト第13回ドリームDASH優秀賞など多数受賞。3人の娘を育てながら、ママ自身も楽しめるコミュニティを共創している。

 

 

子どもたちが楽しめる摂津市に

ーサークルを立ち上げたきっかけは何ですか?


夫の実家がある摂津市に引っ越してきたのは、長女が4歳、次女が3歳の時。知らない土地で、周りに友人もいなかったので、孤独を感じていました。専業主婦で子どもたちを育てていましたが、子どもを遊ばせる場所はあっても、自分も楽しめる場所がない。自分の時間が欲しいと感じていました。

「ないなら作ろう!」と当時流行していたSNS「mixi」でコミュニティを立ち上げました。「摂津のママ集まれ!」と呼びかけ、1ヶ月程度で50人以上集まりました。集まったママからは「子育て中だから仕事ができない」「資格はあるけど活かす場所がない」「自分も楽しみたい」など多くの意見が。ネイルや料理教室などママ達の興味のあることを、皆の特技を活かしながら「先生もママ、生徒もママ」としてサークル活動を運営していきました。今では大阪府下の3拠点で活動し、約1,500人のママコミュニティへと成長していきます。

そして三女出産後の2019年、仕事も増えてきたこともあり、もっと幅広く事業を展開するため、2019年にマミー・クリスタル株式会社を設立しました。

 

ーイベント「まるごとマーケット」を開催したきっかけは?


摂津で育った夫は摂津市に対し「何もないまち」という自虐的な印象を持っていました。私自身は生まれ育ったまちが大好きでしたし、子どもたちには、自分たちが住んでいる摂津市を好きになって欲しい。同じように感じているママもいる中で、サークル立ち上げから2年が経った頃、ママ達から「摂津市にはイベントがない。自分たちのまちでイベントをやりたいね」という声が上がりました。

「それならやろう!」とスタート。スポンサーの獲得や出展者の募集を行い、構想からわずか半年で「摂津まるごとマーケット」を開催。初年度から3,000人を越える人が来場してくれました。

その後、マーケットは毎年開催。2016年には「NPO法人摂津まるごとプロジェクト」を立ち上げ地域活性に関する事業を行っています。

 

 

講座やイベント

 

孤独な育児をなくしたい

ーママの居場所づくりのために大切にしていることは?


マミー・クリスタルは、他の習い事教室のように特技を極めるという考えではなく、友達を作るきっかけの一つという考えで運営しています。

ママは皆、子どもが可愛い。でも24時間ずっと子育てはつらい。だからこそ居場所を提供したい。よくあるお悩み相談をする場というよりも、リフレッシュできる場を目指しています。それぞれ自分の興味あるレッスンやイベントに参加しているので、同じような価値観のママがその場に集まることも多く、初めての参加でもすぐに友達になって楽しんでいます。

 

ーコロナ禍でママたちに影響は?


コロナの影響で、ママ達は行けるところが少なくなりました。家に引きこもりがち。子どもとママだけでずっと過ごすので、しんどくなってしまいます。

この場所も一時休業するか悩んだのですが、ママ達からは「それは困る」「家で子どもと二人きりは大変」との声がたくさん上がったので、感染症対策をしながら運営をしていました。

また、コロナの影響だけではないですが、育休中のママ達から「働きたいけど働けない」「仕事に復帰するのが怖い」という声があり、在宅ワークで、ママが空き時間に出来る仕事も新たに始めました。子育てしながら、ちょこっとお仕事。「自分のペースで出来るので安心」「マミクリからの仕事だから安心」とママ達は自分の空いた時間に楽しんでやっています。

 

事務所の様子
場所

 

 

全国にママの居場所を

ー摂津市にはどんな魅力がありますか?


摂津市には何もないという印象の人が多いと思います。でもこれだけ利便性が良くて、行政との距離が近いまちはないと思います。私自身、節目節目で行政に相談し、助けてもらっています。

「何もない」でなく、「0から1を生み出せるまち」として起業家や学生ベンチャーのステージになれば面白いのではないでしょうか?

私自身、チャレンジできるまち、チャレンジしやすいまちが摂津市の魅力だと思います。

 

ーこれからの夢は?


転勤などやむを得ない理由で、摂津市から引っ越したママ達から、「行った先にマミクリがあったら良かったのに」「マミクリみたいな場所を作りたい」という声を聞きます。会ったこともない人から、私たちの活動に興味を持たれて、マミー・クリスタルをやりたいと相談があることも。

同じような悩みを抱えたママ達が全国にいるので、ママが自分らしく楽しめるそんな居場所を全国につくりたいです。

 

 

&わたし