市史ができるまで その(1)~史料を集める~

更新日:2018年03月30日

市史を作るためには、様々な作業があります。

どんなことをしているのか、その様子を少しご紹介させていただきます。

『資料』と『史料』の違い

そもそも、『資料』と『史料』は何が違うのかと、よくご質問をいただきます。

研究・調査の基礎となる文献などを『資料』と言い、
歴史研究の材料となる古文書や遺物のなどを『史料』と言います。

具体的には、

自治体などで作っている昔に関する情報や、学識者などが作っている論文などは「資料」
当時に記された文書や手紙、使われていた道具などは「史料」

となります。  

史料を集める

市史を作るためには、ご理解、ご協力くださる市民のみなさまや団体などから、古文書や手紙、道具などを閲覧させていただいたり、お借りしたり、撮影させていただいたりして、史料を集めるところから始まります。

例えば、ふすまをお借りした場合は…

ふすまの表を丁寧にはがす様子の写真

ふすまの表をはがすところから始まります。  

江戸時代の頃の古文書が使われていたふすまの下貼りの画像

このふすまの下貼りには江戸時代の頃(約400年前)の古文書などが使われていました。

糊付けで重ねて貼り合わせてあるので、1枚1枚に取り分けていきます。

糊付けされた下貼りを1枚1枚丁寧に取り分ける様子の写真

貴重な史料となるかも知れないので、破れないよう、ちぎれないよう細心の注意をはらって

そーーーー…

っとはがしていき、最後のひとかけらまでも集めます。

ちなみに、ほとんどのふすまや古文書などには、当時からのほこりやカビ、虫の死がいなどが含まれていて、それらが数十年、数百年の時を超えて空中に舞い上がり、降りかかってくるため、現場はなかなか大変な状況です。

綺麗に史料を取り外されたふすまの写真

すべての古文書などを取り外すことに成功しました。
手早く進めたいところですが、破れないよう、ちぎれないよう慎重に行わないといけないため、このふすま1枚で4日かかりました。

他にも、閲覧しかできないものを書き控えたり、写真撮影を行うなどして、現在、市史編さん室には古文書や手紙など約8万点ほどの史料が集まっております。

今後も、摂津市の歴史をひも解き、後世に伝えていくため、さらに史料収集を行ってまいります。

「もしかしたら昔のかな?」など思い当たる物がありましたら、古文書レスキューを行っておりますので、市史編さん室までまずはご連絡ください。

よろしくお願いいたします。