【こどもの食コラム】離乳食の食物アレルギーの考え方と対応

更新日:2022年11月19日

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「食育」とは、様々な経験を通じて、「食」に関する知識とバランスの良い「食」を選択する力を身に付け、健全な食生活を実践できる力を育むことです。

食物アレルギーとは

病原体から体を守る免疫機能が特定の食材を食べて過剰に反応し、じんましん、下痢、嘔吐、咳、鼻水などのアレルギー反応を引き起こすことがあります。症状の重さは様々で、場合によっては命にかかわる恐れもあります。

アレルギーが出やすい食材を与える時期の考え方

乳児期から幼児早期までに食物アレルギーを起こしやすい食物は「鶏卵、牛乳、小麦」ですが、そのほとんどが小学校入学前までに克服することが多いです。また、離乳食の開始や特定の食品を食べることを遅らせることに、食物アレルギーの予防効果の科学的根拠はありません。

心配するあまり、医師の指示を受けずに誤った判断で食事を除去してしまうと、赤ちゃんの成長・発達に影響がある場合があります。離乳食期は子どもの成長発達に重要な時期なので、適切な時期に適切な食材を与え、自己判断でむやみに制限しないようにしましょう。

 

初めての食材の与え方

りにゅうしょくをたべる

赤ちゃんに初めて与える食材は、体調がよいときに様子を見ながら慎重に与えるようにしましょう。

1.昼間、病院を受診できる時間に与える
赤ちゃんの様子が急変した場合にすぐに受診できるように、初めての食事を与える時間帯は診療時間内にしましょう。

2.ごく少量からスタート、少しずつ増やしていく
様子を見ながら、少しずつ量を増やしていきましょう。ごく少量は大丈夫でも量が増えるとアレルギー反応を起こす場合があります。

3.しっかり加熱をして
加熱するとたんぱく質が変性して、アレルギーを起こしにくくなります。卵はまずよく加熱した卵黄を耳かき1杯から進めていきましょう。

4.初めての食材は1回に1種類ずつ与える
​​​​​​​万一、赤ちゃんにアレルギー反応が出た場合、原因となった食物を特定できるように1種類ずつ与えましょう。食べなれた食材と一緒に食べさせるのは問題ありません。

予期せぬ食物アレルギーを防ぐために

食物アレルギーを引き起こす恐れがある食品は、特に症例数や重篤度から表示する必要性が高いものを「特定原材料」と定め、法令で表示が義務付けられています。加工食品を離乳食に使用する際は、しっかり表示を確認しましょう。

 

しょくもつあれるぎー

●表示が義務付けられているもの(7品目)

えび、かに、小麦、そば、卵、乳、落花生(ピーナッツ)

●表示が奨励されているもの(12品目)

アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、くるみ、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン