正しく知ろう!HIVとエイズ(AIDS)

更新日:2024年02月01日

2023年世界エイズデーキャンペーンテーマ

HIVとエイズ(AIDS)について

HIVとは

■HIVとは、Human Immunodeficiency Virusヒト免疫不全ウイルス)の頭文字をとった略称で、エイズ(AIDS)を引き起こす原因となるウイルスのことです。

■免疫の仕組みの中心であるヘルパーTリンパ球(CD4細胞)という白血球などに感染し、からだを病気から守っている免疫力を低下させていきます。

エイズ(AIDS)とは

エイズについて

■エイズ(AIDS)は、日本語にすると「後天性免疫不全症候群」といいます。

 

HIVに感染し、病気に対する体の免疫機能(病気に対する抵抗力)が低下することで起こるさまざまな疾患のことを、エイズ(AIDS)と呼びます。

 

HIV感染症・エイズ(AIDS)も性感染症(STI)の一つです。性感染症にかかるとHIV感染の可能性を高めてしまいます。

→性感染症についてはこちら(ページにとびます)

HIV感染からエイズ(AIDS)発症まで

■エイズ(AIDS)はHIVに感染することによって発症しますが、HIVに感染したからと言ってすぐにエイズ(AIDS)を発症するわけではありません。

■HIVに感染すると、数週間以内に風邪に似た症状が出ることがありますが、その後は何年も症状のない状態が続きます。その間、免疫力は徐々に低下し、やがて本来なら自分の力で抑えることのできる病気を発症するようになってしまいます。

■抵抗力が落ちることで発症する疾患のうち、代表的な23の疾患(ニューモシスチス肺炎、悪性リンパ腫など)を発症するとエイズ(AIDS)発症と診断されます。

HIV・エイズ(AIDS)の日本の流行状況

■2022年の新規HIV感染者・エイズ(AIDS)患者報告数は884件で、6年続けて前の年を下回っています。

■感染経路としては性的接触によるものがほとんどで、特にHIV感染者の70.1%、エイズ(AIDS)患者の50.4%が同性間性的接触によるものです。

■現状では、エイズ(AIDS)の発症によって、HIVに感染していたことがわかる例がHIV感染者全体の3割を占めています。

HIVの感染経路

HIVの感染力は弱く、性行為以外の社会生活の中でうつることはまずありません。

HIVは主に3つの経路で感染します。

性行為による感染

性行為を介しての感染

性行為による感染は、最も多い感染経路です。

■HIVは主に血液や精液、膣分泌液に多く含まれています。

■HIVは感染者の血液・精液・膣分泌液から、その性行為の相手の性器や肛門、口などの粘膜や傷口をとおってうつります。

■性行為におけるコンドームの正しい使用は、HIV・エイズ(AIDS)予防にとって有効な手段です。

性感染症にかかるとHIVにも感染しやすくなります。性感染症に感染したら放置せず、パートナーと一緒に治療を受けるようにしてください。

→性感染症についてはこちら(ページにとびます)

血液を介しての感染

血液を介しての感染

HIVが存在する血液の輸血や依存性薬物(覚せい剤など)の使用における注射器具の共用などが原因で感染します。

■日本国内で献血された血液は厳重な検査により最高水準の安全が確保されていますが、HIV感染の可能性を完全には排除できません。

母子感染

妊娠を介しての感染

母親がHIVに感染している場合、妊娠中や出産時、また授乳時に赤ちゃんに感染することがあります。

■現在の日本では、母親がHIV感染症の治療薬を服用すること、帝王切開で分娩すること、母乳を与えないことなどで、赤ちゃんへの感染を1%以下に抑えることができます。

HIVはこんなことでは感染しません!

こんなことではHIVには感染しません

感染が心配なときには、HIV検査を受けましょう

■HIVに感染したかどうかを調べるためには、HIV検査を受けるしかありません。

■HIV検査は、エイズ(AIDS)の原因であるHIVに感染しているかどうか、血液検査を行い調べます。

検査目的の献血は絶対にやめましょう

HIV検査は保健所で受けられます

HIV検査は全国のほとんどの保健所で、無料で、匿名で受けられます。

自分の住んでいる地域以外の保健所でも受けられます。

■少しでもHIV感染の心配があれば検査を受けてください。

■保健所では、HIV感染症・エイズ(AIDS)や性感染症に関する相談もできます。