AED(自動体外式除細動器)

更新日:2018年03月30日

AEDとは??

 AED(自動体外式除細動器)は、救急の現場で一般市民の方でも「除細動」(心臓に電気ショックを加えること)を行えるように設計された機械で、内蔵されたコンピューターが心臓のリズムを自動的に調べて「除細動」が必要かどうかを音声メッセージで指示してくれます。「除細動」が必要なときに限り”電気ショックが必要です”のメッセージを具体的に出す仕組みになっており、安全が十分に確保されています。

 AEDを用いた応急手当は、平成16年7月から一般市民の方でも行えるようになりました。

 心肺停止状態の人は、心肺蘇生法を実施するとともにAEDを使用し「心室細動」(心臓が震えている状態)の人に少しでも早く「除細動」(電気ショック)を行うことが必要です。AEDの使用は、心肺蘇生法を実施するとともに一般市民等が行うべき応急手当て(一時救命処置)に含まれ、3時間の講習(普通救命講習)を受講することによりAEDを含めた心配蘇生法の手順と手技を容易に覚えることができます。

除細動(電気ショック)の必要性

 人が突然倒れたときは、心臓が原因であることが多く、そのときの心臓の状態は筋肉がプルプルと震えてポンプ作用が全くなく、血液を送り出せない状態(心室細動)となっています。心臓のポンプ作用がなくなってから4分以内で脳に障害が発生すると言われており、人工呼吸や心臓マッサージを直ちに始めることで脳に発生する障害を遅らせることができます。「心室細動」の状態を取り除き、心臓を正常なリズムに戻すために「除細動」(電気ショック)を早急に行うことが、最も適切な処置なのです。

 「心室細動」の状態は、いつまでも続くものではなく、倒れてから数分間に過ぎません。つまり、時間の経過とともに除細動成功率がどんどん低くなります。

 「除細動」が1分遅れると、7~10%の割合で生存のチャンスが低下すると言われており、救急車を待つ5~6分間応急手当を行わなければ、50%以上ある生存のチャンスを失ってしまうことになります。

 その場に居合わせた方による早急な「除細動」が、いかに必要かがわかって頂けたかと思います。

AED 使用方法

AEDは、電源をいれると音声メッセージと点滅するランプであなたが実施するべきことを指示してくれますので落ちついて指示に従ってください。(機種により、若干使用方法が異なります。)

AED使用方法の写真1

ケースからAED本体を取り出します。

  • AEDを傷病者の近く(肩付近)に置きます。
AED使用方法の写真2

電源を入れたら、音声メッセージと点滅するランプの指示に従って操作してください。

  • ふたを開けると自動的に電源が入る機種もあります。
AED使用方法の写真3

電極パットの袋を開封し、貼り付けます。

  • 電極パットを貼りつける位置は、電極パットが入ってる袋に絵で表示されています。
AED使用方法の写真4

電極パットは、体表との間にすき間をつくらないよう、しっかりと貼り付けます。

AED使用方法の写真5

電極パットの一方は右前胸部(右鎖骨の下で胸骨の右)
他方は左胸部(脇の5~8センチメートル下の位置)に貼り付けます。

AED使用方法の写真6

コネクターを接続すると、心電図の解析が始まります。

  • 機種によっては、電極パッドを貼ると自動的に解析が始まるものもあります。
    (音声の指示に従ってください。)
AED使用方法の写真7

心電図の解析結果から電気ショックが必要な場合は、自動的に充電が開始され「ショックが必要」と音声指示されます。

  • 誰も傷病者に触れていないことを確認してください。
AED使用方法の写真8

自動的にエネルギー充電を始め、ショックボタンが点滅します。

  • 充電には数秒かかります。
AED使用方法の写真9

充電が終われば、音声指示によりショックボタンを押してください。

  • AED操作者は再度、傷病者に触れないように促してください。
  • ショックが行われると同時に傷病者の体に一瞬動きがみられます。
AED使用方法の写真10

1回の除細動(電気ショック)が終わると、すぐに心肺蘇生法を実施してください。

  • 30:2を約2分間実施すると、AEDが再度、心電図の解析を行います。

小児(未就学児)に対しては、小児用電極パットを使用して下さい。

ただし、小児用電極パットがない場合、やむを得ない時は、成人用電極パットで代用します。