男女平等に関する市民意識調査報告書(平成22年度実施)

更新日:2021年07月28日

 住民基本台帳から無作為抽出した20歳以上の市民男女2,000名を対象に、平成22年11月16日から30日までの間に郵送による意識調査を実施いたしました。

 有効回答数855件(有効回収率42.8%)のご意見をお寄せいただき、このほど調査結果の報告書ができましたので、お知らせいたします。

 市では、これらの調査結果をもとに、摂津市女性政策推進市民懇話会で広くご意見を求めながら、今年度「男女共同参画計画(第3期)」の策定に取り組みます。本調査の実施にあたり、ご協力いただきました皆様方に厚くお礼申し上げますとともに、今後とも男女共同参画社会の推進にご理解・ご協力をお願いいたします。

 本調査結果は、市役所情報コーナー・市立公民館・図書館・図書センター・男女共同参画センターで閲覧できます。

 下に報告書の概要を記載しておりますので、ご覧ください。

男女の地位の平等意識

 男女の地位の平等意識について「平等である」との回答は、「学校教育の場で(44.2%)」「家庭生活の場で(34.7%)」「地域活動の場で(34.4%)」「法律や制度の上で(32.4%)」の順になっています。しかし、いずれの項目も男性優遇意識が女性優遇意識を上回り、特に「社会通念・慣習・しきたりなど」「政治の場で」に「男性優遇」の意識が多かったことから、結果として「平等である」との回答は、全体の20.7%となりました。

男女の地位の平等意識調査の棒グラフ

性別役割分担意識

 「男は仕事、女は家庭」という固定的な性別役割分担意識については、「そのとおりだと思う」「どちらかといえばそう思う」という肯定派が合計47.8%に対し、「そうは思わない」「どちらかといえばそうは思わない」という否定派が51.4%となりました。前回調査(平成17年実施)では、肯定派がわずかに上回っていましたが、今回調査で逆転し、否定派が初めて過半数を超えました。

 しかし、性別役割分担意識に対する理由を問いかけたところ、肯定派の39.9%は「現実問題としてそうならざるを得ないから」との回答があり、男女別では、女性が35.0%、男性が44.9%と、女性よりも男性の方が上回っていました。一方否定派については「性別に関わりなく、一人ひとりの個性と能力を発揮できる方がいいから」が35.2%と最も多く、肯定派と否定派の意識の差が顕著になっていました。

「男は仕事、女は家庭」という考え方について性別役割分担意識の棒グラフ

「男のしんどさ、つらさ」

 今回の調査で初めて「男性」として求められる役割についてしんどさを感じるかどうかを問いかけたところ、男性の約半数(49.5%)が「男はしんどい、つらい」と感じたことが「ある」と回答しています。この結果を年代別に分析したところ、20歳代では「常に強さを求められ、弱さをみせられない」、30歳代では「何かにつけ男のくせにと言われる」と「妻子を養うのは男の責任だと言われる」「常に強さを求められ、弱さをみせられない」(32.3% 3回答同率)、40歳代「妻子を養うのは男の責任だと言われる」、50歳代「リーダーシップ(決断力)を求められる」という理由がそれぞれ第1位になっており、男性が社会の中でライフステージに応じ男性として求められる顕著な役割とその役割に対するしんどさを感じているということが読み取れる結果となりました。

「男はしんどい、つらい」と感じたことがある理由を示した表

働き方について

 女性が職業を持つことについて、女性の回答の第1位は「子育ての時期だけ一時やめ、その後はパートタイムで仕事を続ける方がよい」(31.2%)、男性の第1位は「結婚や出産に関わらず仕事を続ける方がよい」(26.9%)となっていましたが、実際の働き方を見ると、男女ともに「子育ての時期だけ一時やめ、その後はパートタイムで仕事を続ける方がよい」が第1位となっており、男性で理想と実際が逆転しているという結果でした。

 また、女性が仕事上の不利益を受けた点を自由意見で求めたところ、セクシュアル・ハラスメント、能力を発揮する機会を与えられない、男女間の賃金格差、出産や子育てを理由にした配置転換や不採用、昇任・昇格されないなど、様々な不利益の実態が寄せられました。

 そして、女性が働き続けるためには、男女ともに6割以上の人が、育児休業・介護休業制度を利用しやすい職場環境づくりの推進が必要であるとしていることからも、現実には女性が育児や介護の主たる担い手となっている状況が伺えます。

女性が職業を持つことについての棒グラフ

暮らし方の希望と実際

 仕事と家庭、地域生活との調和(ワーク・ライフ・バランス)について希望と現実を問いかけたところ、男女ともに「仕事」と「家庭」をともに優先したい」という回答が第1位でしたが、実際には女性は「家庭」を優先し、男性は「仕事」を優先しているが多くなっています。

暴力の体験

 配偶者やパートナーからの暴力の体験については、女性では、言葉の暴力や脅す・無視といった「精神的暴力」が16.3%と最も多く、次いで殴る・蹴るといった「身体的暴力」が12.8%と多くなっています。

 さらには、恋人間の暴力についてもわずかではありますが、「されたことがある」との回答がありました。 暴力を「されたことがある」という女性については、友人・知人(34.3%)、家族や親戚(23.2%)に相談したとしていますが、公的機関に相談した割合はわずかしかなく、また「どこにも相談しなかった、またできなかった」が23.2%となっています。どこにも相談をしなかった理由としては、「相談するほどのことではない」(58.6%)、「自分さえ我慢すればやっていけると思ったから」(41.4%)が多くなっており、今後は、DVに対する正しい認識の啓発や公的な相談機関の周知が課題であると考えます。

女性が受けた暴力を示した棒グラフ