事業所向け受動喫煙対策について

更新日:2020年01月17日

◆受動喫煙対策について

望まない受動喫煙の防止を図るため、多数の者が利用する施設等の区分に応じ、当該施設等の一定の場所を除き喫煙を禁止する、健康増進法の一部を改正する法律が施行されます。

これに伴い、大阪府では、望まない受動喫煙の防止に向けた機運が高まる中、府民の健康の保持増進に向けた一層の受動喫煙の防止に向けた対策として、「大阪府受動喫煙防止条例」が制定されました。

1.受動喫煙とは?

受動喫煙とは、他人のたばこの煙(蒸気を含む。)を吸わされることを言います
たばこの煙には、喫煙者が吸っている「主流煙」のほかに、たばこの先から出る「副流煙」と喫煙者が吐く「呼出煙(こしゅつえん)」があります。
受動喫煙は「副流煙」「呼出煙」から起こります。
特に「副流煙」には、「主流煙」よりも多くの有害物質が含まれています。

2.受動喫煙の健康影響

受動喫煙による死亡者数は、日本全体で年間約1万5千人と推計されています。
これは、交通事故の死亡者数約4千人の3倍以上の人数です。
受動喫煙により、脳卒中や肺がん等になるリスクが高くなることが科学的に明らかになっています。

3.多数の人が利用する施設の受動喫煙対策

受動喫煙を防止するため、「健康増進法」と「大阪府受動喫煙防止条例」が定められています。

大阪府受動喫煙防止条例では、府独自の取り組みとして下記を規定しています。

・学校、病院、行政機関の庁舎等は敷地内全面禁煙

・事業所や飲食店等は原則屋内禁煙(経過措置として喫煙できる飲食店を限定)

◎詳しくは、大阪府の受動喫煙防止対策をご覧ください。

 

これに基づき、多数の人が利用する施設については、

区分に応じて受動喫煙を防止するための措置が必要となります。

(1)第一種施設(学校・病院・児童福祉施設等、行政機関の庁舎)

受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者(20歳未満の者、患者、妊婦)が主たる利用者である施設

〈例〉

小学校、中学校、高等学校、支援学校、保育所、幼稚園、各種養成施設、専修学校、大学、病院、診療所、助産所、薬局、施術所、児童福祉施設、認定こども園、介護老人保健施設、介護医療院、難病相談支援センター、母子健康包括支援センター、少年院及び少年鑑別所、国及び地方公共団体の行政機関の庁舎 など

改正健康増進法

○2019年7月から「敷地内禁煙」

屋内は全面禁煙です。(ただし、敷地内での屋外喫煙場所の設置は可能です。)

 

<屋外喫煙場所(特定屋外喫煙場所)>
第一種施設の屋外の一部の場所のうち、受動喫煙を防止するために必要な以下の措置がとられた場所のことをいいます。


◆喫煙をすることができる場所が区画がされていること。(喫煙場所と非喫煙場所を明確に区別することが必要。例えばパーテーションや 線を引く等による区画)

◆喫煙をすることができる場所である旨を記載した標識を掲示すること。

◆第一種施設を利用する者が通常立ち入らない場所(例えば建物の裏や屋上等)に設置すること。

※特定屋外喫煙場所を設置する場合は、近隣の建物に隣接するような場所に設置しないなどの配慮をすることとされています。当該施設の利用者であれば、利用可能です。

※第一種施設については、受動喫煙により健康を損なうおそれが高い者が主として利用する施設であることから、特定屋外喫煙場所を設置することを推奨しているものではありません。

 

大阪府受動喫煙防止条例

○2020年4月から「敷地内全面禁煙」

屋内は全面禁煙です。(特定屋外喫煙所を含め喫煙設備を設けることはできません。)

◆敷地内(屋外含む)に喫煙設備を設けないよう努めて下さい。

◆ただし、例外として主に療養を中心とする施設など、利用者への一定の配慮が必要な施設や特別な事情がある場合は、施設管理者の判断で屋外に国の要件を満たす喫煙場所を設置することも可能としています。

 

(2)第二種施設(第一種施設以外の多数の人が利用する施設)

多くの人が利用する施設のうち、第一種施設に位置づけられている、学校、病院、児童福祉施設、行政機関の庁舎等を除く、オフィス、事業所、飲食店、事務所、工場、旅客運送事業船舶・鉄道などの全ての施設

改正健康増進法

2020年4月から「原則屋内禁煙」

◆屋外に喫煙所を設置するときは出入口や道路の近くを避けるなど、受動喫煙が生じないよう配慮しなければなりません。

◆屋内喫煙を認める場合は、「喫煙専用室(※1)」又は「加熱式たばこ専用喫煙室(※2)」などの設置が必要

(※1)喫煙専用室

◇喫煙するための部屋であり、飲食等はできません。
◇喫煙可能な場所には、20歳未満の方は従業員も含めて立入り禁止です。
◇喫煙専用室を設置している旨の標識を掲示しなければなりません。
◇厚生労働省令で定める措置を講じなければなりません。
 

(※2)加熱式たばこ専用喫煙室

◇「指定たばこ」とは、加熱式たばこのうち、厚生労働大臣が指定するものです。
◇指定たばこのみ喫煙ができ、飲食等も可能です。
◇喫煙可能な場所には、20歳未満の方は従業員も含めて立入り禁止です。
◇指定たばこ専用喫煙室を設置している旨の標識を掲示しなければなりません。
◇厚生労働省令で定める措置を講じなければなりません。
◇広告又は宣伝をするときは、指定たばこ専用喫煙室を設置している旨を明らかにしなければなりません。

○経過措置

原則は屋内禁煙ですが、既存の経営規模の小さな飲食店(既存特定飲食提供施設)は、以下の4つの要件を全て満たす場合に、例外的に店内の全部又は一部を喫煙可能とすることができます。

(A)2020年3月31日までに営業を始めている
(B)客席面積が100平方メートル以下である
(C)経営規模が(ア)~(ウ)のいずれにも該当しない
(ア)資本金の額若しくは出資の総額が5千万円を超える会社(以下「大規模会社」という。)
(イ)一の大規模会社が発行済株式又は出資の総数又は総額の二分の一以上を有する会社
(ウ)大規模会社が発行済株式又は出資の総数又は総額の三分の二以上を有する会社
(D)同居の親族のみで経営しているなど、従業員(※)がいない
※「従業員」とは、労働基準法第9条に規定する労働者(同居の親族のみを使用する事業又は事務所に使用される者及び家事使用人を除く。)です。正社員、契約社員、アルバイト、パートタイム、派遣労働者等が該当します。

※紙巻たばこも指定たばこも喫煙でき、飲食等も可能です。
※喫煙可能な場所には、20歳未満の方は従業員も含めて立入り禁止です。
※喫煙可能室を設置している旨の標識を掲示しなければなりません。
※厚生労働省令で定める措置を講じなければなりません。
※広告又は宣伝をするときは、喫煙可能室を設置している旨を明らかにしなければなりません。

*既存特定飲食提供施設の詳細については改正法のポイント:既存特定飲食提供施設の考え方をご覧下さい。

 

大阪府受動喫煙防止条例

改正健康増進法の第二種施設のうち、既存特定施設に係る府独自の取り組みを規定

2022年4月から「原則屋内禁煙(従業員を雇用する施設)」

◆従業員を雇用する飲食店は、客席面積に関わらず原則屋内禁煙に努める(努力義務)

 

2025年4月から「原則屋内禁煙(府既存特定飲食提供施設客席面積30平方メートル以下の店舗)」

◆改正健康増進法で経過措置対象としている客席面積100平方メートル以下の飲食店のうち、客席面積30平方メートル超える飲食店は、原則屋内禁煙となります。(罰則あり)

※喫煙専用室および加熱式たばこ専用喫煙室の設置可能


◆客席面積が30平方メートル以下の飲食店は、改正健康増進法と同様に、喫煙か禁煙の選択可能(経過措置)

 

(3)喫煙目的施設

※公衆喫煙所、たばこ販売店、たばこの対面販売(出張販売によるものを含む。)をしていることなどの一定の条件を満たしたバーやスナック等といった喫煙を主目的とする施設として政令で定める要件を満たすもの

改正健康増進法(府条例も同様の扱い)

2020年4月から屋内の全部又は一部を喫煙可能とすることができます。

※紙巻たばこも指定たばこも喫煙でき、飲食等も可能です。
※喫煙可能な場所には、20歳未満の方は従業員も含めて立入り禁止です。
※喫煙目的施設である旨の標識を掲示しなければなりません。
※厚生労働省令で定める措置を講じなければなりません。

 

(4)バス、タクシー、飛行機

2020年4月から「原則車内・機内全面禁煙」

(5)電車、船舶

2020年4月から「原則車内・船内禁煙」

◆船の甲板等の屋外に喫煙所を設置するときは出入口等の乗客の通路を避けるなど、受動喫煙が生じないよう配慮しなければなりません。

◆屋内喫煙を認める場合は、「喫煙専用室」又は「加熱式たばこ専用喫煙室」などの設置が必要

◆事業所向け助成制度のご案内

(1)受動喫煙防止対策助成金

本助成金は、中小企業事業主が受動喫煙防止対策を実施するために必要な経費のうち、一定の基準を満たす各種喫煙室等の設置などにかかる工費、設備費、備品費、機械装置費などの経費に対して助成を行う制度です。

◆受動喫煙防止対策助成金の申請はこちら

受動喫煙防止対策助成金制度のご案内(厚生労働省ホームページ)

(2)生衛業受動喫煙防止対策助成金

この助成金は、生活衛生関係営業(生衛業)の事業主であって、労働者災害補償保険(労災保険)の適用を受けないため、受動喫煙防止対策助成金を受けることができない事業主が、受動喫煙防止のための施設整備(喫煙室の設置等)を行う際に費用の一部を支援する制度です。

※詳しくは、全国生活衛生営業指導センターホームページをご覧ください。

(3)特別償却又は税額控除制度

2021年3月31日までに、認定経営革新等支援機関等(商工会議所等)による、経営改善に関する指導に基づいて、一定の要件を満たした経営改善設備の取得を行った場合に、取得価額の特別償却(30%)又は税額控除(7%)の適用を認めます。

*詳しくは、経営強化法による支援をご覧ください。

(4)大阪府受動喫煙防止対策補助制度

大阪府受動喫煙防止条例の規制対象となる飲食店を対象にした補助金です。国庫補助制度の活用を前提に、喫煙室の設置などに係る経費の4分の3を補助するものです。

*詳しくは、大阪府受動喫煙防止対策補助制度についてをご覧ください。

 

お問合せ・相談ダイヤル

◆大阪府受動喫煙防止対策相談ダイヤル

電話:06-6944-8224(受付時間9時30分~18時)※土日祝は除く

 

◆受動喫煙対策に係るコールセンター

電話:0120-251-262(受付時間9時30分~18時15分)※土日祝は除く

・受動喫煙対策に関するご質問・ご意見等を受け付けるコールセンターです。

・主に健康増進法の一部を改正する法律に関するご質問・ご意見等を受け付けています。