未来へつなぐ摂津の水~持続可能な水道事業を目指して~

更新日:2026年10月13日

モノレール摂津駅から摂津市上下水道部を望む

蛇口をひねればいつでも水が出る、水道水をそのまま飲める、私たちにとって「当たり前」の環境でも、世界的にはごく一部の国に限られています。

その「当たり前」の環境を維持していくためには、厳格な水質管理や適切な施設の維持管理が必要です。

将来にわたって安全で安心な水を供給するために、水道事業の現状をご紹介します。

水道事業の概要

水道施設について

摂津市の水道は、摂津市の前身である三島町時代、昭和30年に事業認可を受け、味舌、味生、鳥飼の地区ごとに計画が始まり、昭和31年4月1日に給水が開始されました。

その後、高度経済成長期の人口増加に合わせて4度にわたる拡張事業が行われ、太中浄水場、鳥飼送水所、中央送水所、千里丘送水所が建設されました。

給水開始から約70年を迎える令和7年度末現在で、計画給水人口93,000人、1日最大給水量57,400立方メートルを賄う配水能力を有し、水道管の総延長は約241kmとなっています。

太中浄水場

中央送水所

鳥飼送水所

千里丘送水所

配水区域図

水道料金について

水道事業は、市民の皆さまからいただく税金により運営される市の一般部局と異なり、「公営企業」という独立した企業となります。

公営企業は、特別会計として市の一般会計から独立して運営され、原則として独立採算制となっています。

水道事業会計の場合、使用者の皆さまからいただく水道料金を主な収入として運営され、いただいた収入を使い、施設の維持管理や職員の給料等を支払います。残った収入は利益として、次の年度以降に水道管の更新や施設の建て替え工事の財源に使われます。なお、財源が足りない場合は、外部からの借り入れ等により賄います。

水道料金は、使用した水量に関係なくすべての使用者からいただく基本料金と、使用した水量に応じて金額が変動する従量料金により構成され、摂津市の水道料金は、水道メーターの口径が20mmの方で、1か月あたり20立方メートル使用した場合、消費税及び地方消費税込みで2,778円となり、大阪府内では平均的な水準となっています。

なお、この水道料金は平成22年に改定が行われたものであり、摂津市では以降15年間消費税率の改定を除き料金改定を行っていません。

摂津市の水道料金表(令和8年4月1日現在)

水道料金(メーター口径20mm、1か月あたり使用水量20立方メートルの場合)の推移

水道事業はさまざまな課題に直面しています。

給水収益の減少

摂津市の人口は87,000人前後で横ばいに推移してますが、1世帯あたりの人数の減少や節水型水使用機器の普及により、使用者の皆さまからいただく水道料金収入(=給水収益)は減少傾向にあります。

摂津市の現在の普及率は100%となっており、すべての方が水道を使用できる状況となっています。そのため、今のままの状態では給水収益の大幅な増加は見込めず、人口減少に伴って、さらに減少する見込みです。

摂津市の給水人口と給水収益の推移

水道管などの施設更新費用の増加

摂津市の水道管や浄水場、送水所などの施設は、高度経済成長期に整備されたものも多く、施設の多くがその耐用年数を超えています。

特に水道管は、令和7年度末時点で、総延長約241kmのうち、半数以上が法定耐用年数である40年を経過した状態です。

摂津市においても、水道管の老朽化に対応するため、令和元年度に上下水道ビジョン及び水道事業経営を策定し、毎年約3.5kmの管路の更新を行っていますが、水道管の老朽化に更新が追い付かず、老朽化が進行している状況です。

今後、仮に水道管の更新を全く行わなかった場合、10年後には全体の約3分の2の管路が耐用年数を経過することになりますが、水道管の更新には多額の資金が必要となります。

管路延長(令和7年度末)

古くなった水道管

管路更新率の推移

管路経年化率の推移

頻発する災害への備え

令和7年能登地震や令和8年熊本地震においても、多くの水道施設が被害を受け、皆さまに水が届かない状態となりました。また今後、南海トラフ地震など本市においても被害が想定される大規模災害発生の可能性もあります。

摂津市では、地震等の災害に備えて、水道管の耐震化や配水池などの施設の耐震化を進めているところですが、水道管の耐震化の状況を表す基幹管路耐震適合率は、令和7年度末時点で約38%と道半ばの状態です。

応急給水活動の様子

応急復旧活動の様子

水道管の耐震化工事の様子

中央送水所1号配水池更新工事の様子

これまでの取り組みについて

限られた財源の中で、老朽化対策や施設の耐震化を進めていくためには、事業の見直しを行い費用を抑制し、また効率的に施設の更新を行う必要があります。

摂津市では、これまで事業の精査や委託化を通じて、職員数や費用の削減を行ってきました。また、費用の中で多くの割合を占める減価償却費を減らすため、水道管や水道施設の更新時に将来の見通しを踏まえダウンサイジングなどにも取り組んでいます。

職員数と人件費・委託費の推移

未来へつなぎ、持続可能な水道事業を目指して

人口減少や節水型水使用機器の普及により水需要が減少する中、物価上昇・労務単価の高騰により施設維持管理費用が増加する等、水道事業の経営状況は一層厳しさを増しています。加えて、施設の老朽化や耐震化等への対応に多額の資金が必要です。

安全で安心な水を未来へつなぐために、これらの経営課題に対する方策を検討するため、令和8年2月10日摂津市長から「摂津市上下水道事業経営審議会」に諮問を行いました。

市長からの諮問を受け、摂津市上下水道事業経営審議会では、現在5回にわたって審議を行っているところで、10月末に答申を受ける予定です。