○摂津市協働のまちづくり推進条例

令和7年3月31日

条例第2号

少子高齢化や核家族化、単身世帯の増加など社会構造の変化や、ライフスタイル・価値観の多様化などにより、自治会、町会等の地域コミュニティが希薄化してきている。また、地域で抱える課題や市民ニーズも複雑化・多様化しており、行政だけでは市民や地域の実情に応じたきめ細かな対応や課題の解決をすることが難しくなってきている。

このような状況の中、これからの地域社会においては、市民公益活動団体や事業者など多様な担い手と行政が連携していくことが必要となってくる。そのためには、市民や地域コミュニティ団体、市民公益活動団体、事業者による地域活動や市民公益活動を活発化し、多様な担い手による「協働のまちづくり」を広げていくことが重要である。

ここに、協働のまちづくりの推進についての基本原則を明らかにしてその方向性を示し、まちづくりの多様な主体の連携の下、協働のまちづくりを総合的かつ計画的に推進するため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、協働のまちづくりの推進に関し、基本原則を定め、市民、地域コミュニティ団体、市民公益活動団体、事業者及び市の役割を明らかにするとともに、協働のまちづくりの推進に関する施策の基本となる事項を定めることにより、協働のまちづくりを総合的かつ計画的に推進し、もって持続可能で活力ある地域社会の実現を図ることを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 協働 多様な主体が、相互の特性を認識し、及び尊重しながら、共通の目的を達成するために、対等な立場で連携し、又は協力することをいう。

(2) 市民 次に掲げる者をいう。

 市内に住所を有する者

 市内に存する事務所又は事業所に勤務する者

 市内に存する学校に在学する者

(3) 地域コミュニティ団体 自治会、町会その他の市内の一定の区域に住所を有する者の地縁に基づいて形成された団体であって、良好な地域社会の維持及び形成に資する地域的な共同活動(以下「地域活動」という。)を行うことを目的とするものをいう。

(4) 市民公益活動団体 市民公益活動を継続的に行う団体をいう。

(5) 事業者 市内において事業を営む個人及び法人その他の団体をいう。ただし、市民公益活動団体を除く。

(6) 多様な主体 市民、地域コミュニティ団体、市民公益活動団体及び事業者(以下「市民等」という。)並びに市をいう。

(7) 市民公益活動 市民生活の向上及び地域課題の解決を目的として自主的かつ主体的に行われる活動をいう。ただし、次に掲げるものを除く。

 特定の個人又は団体の利益を目的とする活動

 宗教の教義を広め、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする活動

 政治上の主義を推進し、支持し、又はこれに反対することを主たる目的とする活動

(基本原則)

第3条 協働のまちづくりの推進は、次に掲げる事項を基本として行われるものとする。

(1) 多様な主体は、相互に対等な立場で自主性及び自立性を尊重すること。

(2) 多様な主体は、それぞれの特性及び役割を理解し、相互に連携し、又は協力すること。

(3) 多様な主体は、相互に必要な情報を提供し、共有すること。

(市民の役割)

第4条 市民は、前条の基本原則(以下「基本原則」という。)にのっとり、自らがまちづくりの主体であることを認識し、地域社会に関心を持ち、自らができることを考えて行動するとともに、市民公益活動(地域活動を含む。以下同じ。)に参加するよう努めるものとする。

2 市民は、市政に関する情報に関心を持ち、積極的に情報を収集するよう努めるものとする。

3 市民は、自らが居住する区域の地域コミュニティ団体に加入するよう努めるものとする。

(地域コミュニティ団体の役割)

第5条 地域コミュニティ団体は、基本原則にのっとり、地域住民(その区域に住所を有する者をいう。以下同じ。)のつながりを強くするとともに、地域課題の解決に取り組むよう努めるものとする。

2 地域コミュニティ団体は、自らが行う地域活動の情報を発信し、地域住民が参加しやすい環境づくりに努めるものとする。

3 地域コミュニティ団体は、他の市民等と交流し、及び連携しながら、協働のまちづくりの推進に努めるものとする。

(市民公益活動団体の役割)

第6条 市民公益活動団体は、基本原則にのっとり、自らが行う活動の社会的意義を理解し、その専門性、迅速性、柔軟性等を生かして、まちづくりに取り組むよう努めるものとする。

2 市民公益活動団体は、自らが行う活動に関する情報を分かりやすく市民等に提供することにより、その理解と参加が得られるよう努めるものとする。

3 市民公益活動団体は、他の市民等と交流し、及び連携しながら、協働のまちづくりの推進に努めるものとする。

(事業者の役割)

第7条 事業者は、基本原則にのっとり、地域社会を構成する一員として、協働のまちづくりに関する理解を深め、その社会的責任に基づき、地域社会に貢献するよう努めるものとする。

2 事業者は、市民公益活動に対する支援に努めるものとする。

(市の役割)

第8条 市は、基本原則にのっとり、協働のまちづくりの推進のために必要な施策を策定し、及び実施するものとする。

2 市は、市の職員に対し、協働のまちづくりに関する理解を深めるための研修を実施するものとする。

(市民公益活動の支援及び協働の推進)

第9条 市は、市民公益活動団体の自主性及び自立性を尊重し、その活動を促進するため、市民公益活動に対して必要な支援に努めるとともに、市民等との協働を推進するものとする。

(協働のまちづくり推進計画)

第10条 市は、協働のまちづくりの推進に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、協働のまちづくりの推進に関する基本的な計画(以下「協働のまちづくり推進計画」という。)を策定するものとする。

2 市長は、協働のまちづくり推進計画を策定しようとするときは、あらかじめ、第13条第1項に規定する委員会の意見を聴かなければならない。

3 市長は、協働のまちづくり推進計画を策定したときは、これを公表しなければならない。

4 前2項の規定は、協働のまちづくり推進計画の変更について準用する。

(基本的施策)

第11条 市は、市民公益活動を支援するとともに、市民等との協働を推進するため、次に掲げる施策を講ずるものとする。

(1) 協働のまちづくりに関する情報の収集及び提供に関すること。

(2) 協働のまちづくりの担い手の育成及び協働のまちづくりを支える人材の支援に関すること。

(3) 市民公益活動及び協働の重要性についての認識、知識等を深めるための学習機会の提供に関すること。

(4) 市民公益活動の促進に必要な体制の整備及び充実に関すること。

(5) 市民公益活動に対する財政的な支援に関すること。

(6) 前各号に掲げるもののほか、市民公益活動の支援及び市民等との協働の推進に関し市長が必要と認めること。

(協働のまちづくり推進月間)

第12条 協働のまちづくりについて市民等の関心と理解を深めるため、協働のまちづくり推進月間を設ける。

2 協働のまちづくり推進月間は、毎年2月とする。

3 市は、協働のまちづくり推進月間においては、市民等と連携し、その趣旨にふさわしい事業を実施するよう努めなければならない。

(協働のまちづくり推進委員会)

第13条 市長の諮問に応じ、協働のまちづくり推進計画その他の協働のまちづくりの推進に関する重要事項について調査審議するため、摂津市協働のまちづくり推進委員会(以下「委員会」という。)を設置する。

2 委員会は、委員15人以内をもって組織する。

3 委員は、次に掲げる者のうちから、市長が委嘱する。

(1) 協働のまちづくりの推進に関して識見を有する者

(2) 市民等を代表する者

(3) 前2号に掲げる者のほか、市長が適当と認める者

4 委員の任期は、2年とする。ただし、補欠の委員の任期は、前任者の残任期間とする。

5 委員は、再任されることができる。

6 前各項に定めるもののほか、委員会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。

(施行期日)

1 この条例は、令和7年7月1日から施行する。

(摂津市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例の一部改正)

2 摂津市特別職の職員で非常勤のものの報酬及び費用弁償に関する条例(昭和39年条例第16号)の一部を次のように改正する。

〔次のよう〕略

摂津市協働のまちづくり推進条例

令和7年3月31日 条例第2号

(令和7年7月1日施行)