ごあいさつ

更新日:2026年04月01日

令和8年度から、学校教育目標を刷新いたしました。

言葉を磨き、心育む生徒の育成
~やりたいことがある、会いたい人がいる学校づくりを通して~

 

人の内面の成長は言葉に現れます。
「何を言うか」にその人の知性が現れ、
「何を言わないか」にその人の品性が現れ、
「どう言うか」にその人の人間性が現れます。

生徒の「言葉」と「心」の成長を促し、支えていきたいと思います。

 

 

◎こども観
私は、こどもは学びの天才であると考えています。
産声を上げ、いつの間にか言葉を身につけ、立ち上がり、世界を認識していきます。
何から学ぶかというと、人は環境に学ぶのだと思います。
環境とは、家庭環境、人的環境、言語環境、教室環境、生活環境などその人を取り巻くすべてです。
保護者の皆様、地域の方々、そして我々教職員は、こどもたちにとって、人的環境であり言語環境であります。ですから、我々大人がこどもに与える影響力の大きさを知っておくことは重要です。こどもたちが「どう育つか」は、われわれ大人が「どうあるか」にかかっているといっても過言ではないと思っています。

 

◎授業観
生徒も教員も1日のほとんどを授業をして過ごします。
その授業は、単なる知識伝達の場ではなく生徒指導の基盤となる場です。生徒一人ひとりが「認められている」「大切にされている」と実感できる学級経営が授業の前提となります。
また、授業は正解だけを発表する場ではなく、生徒たちの「分からない」から始まり、「分からない」ことを協力して「分かる」「できる」にしていく場であってほしいと願っています。安心して「分からない」が言える心理的安全性のある授業をめざしてほしいのです。
授業づくりは、教師が教えたい内容を生徒たちが学びたい内容に転換させることを基本とし、授業で学んだことを「日々の生活課題を解決する道具」「未来を切り拓く道具」として使えるところまで力をつけてほしいと願っています。

 

◎指導観
「あの先生は指導力が高い」という言い方をすることがあります。
その指導力の高さとは、生徒との信頼関係の強さのことであると私は考えています。そして、信頼関係とは、「先生は自分のことを分かってくれている」「自分は先生のことを分かっている」という相互理解が成立している関係のことを意味します。
また、学校は集団生活です。集団生活においては、全体指導と個別支援を常に両立していく必要があります。集団に支えられて個が育ち、個の成長が集団を発展させるという相互作用により、生徒の力を最大限に伸ばすことをめざします。
生徒指導の目的は、単にルールを守らせることではなく、生徒が「自分で考え、自分で判断し、自分を律して行動する力(自己指導能力)」を育てることです。

 

◎学級経営
学級を一人ひとりの生徒が「大切にされている」と実感できる(自己肯定感)とともに、集団の一員として「役に立っている(自己有用感)」と感じられる場にすることをめざします。
学級づくりは、ルール(秩序)とリレーション(人間関係)の両立によって行います。
まずは、教員と生徒との関係構築(縦糸)から始めます。こどもたちの好きなものや好きなこと、こどもたちが興味を持っていることに好意的な関心を持つことが第一歩。生徒たちにとって人的環境であるすべての大人の敵は「不機嫌」と「無関心」だと私は考えています。「上機嫌」で「関心」を持つ感情マネジメントのスキルを高めることが大切です。
また、情報は感情のフィルターを通って伝わります。関わる大人に対して抱く感情からものごとへの好き嫌いも生まれることがよくあります。
生徒との関係を紡ぎながら、同時に生徒同士をつなげていきます(横糸)。
自分を好きになり、自分の強みや得意、弱みや欠点を知る自己理解と、相手の好きなものや良いところ、願い等を知る他者理解を深めていきます。
いい学級とは、問題が起こらない学級ではなく、問題を発見し協力して解決できる協働的問題解決力の高い学級であると私は考えています。年度末になって、先生の言うことをよくきく学級というよりも、先生がいなくても自治できる学級をめざしてほしいと願っています。そのためにも生徒を信じて委ねていきたいと考えています。

 

◎学校の役割
私たちが出会う生徒は、未来社会を建設する当事者、担い手です。したがって、私たちが今やっている学校教育が未来社会を建設すると考えています。人間社会の常として「安定と抑圧」がセットであり「自由と不安」がセットです。したがって、現代の日本ではどのように生きるか自由に選択でき、生き方への「用意された正解」はないので不安はつきものです。しかし、不安ではあるけれども自分で自分の人生にとって、今何が正しいかを「考え」、「判断し」、「実行できる力」を育てていきたいのです。
「言葉」という一生の道具を手に入れ、道具の正しい使い方を学び、身につけ、練習し、道具を使って未来を切り拓いていく力を育んでいくのが現代の学校の役割だと考えています。

 

今年度もよろしくお願いします。

摂津市立第三中学校
校長 松本 拓三