中央送水所1号配水池更新工事が完了しました

更新日:2022年04月26日

昭和46年から約50年間稼働した中央送水所1号配水池は、約2年の工期を経て、ステンレス構造の配水池へと生まれ変わりました。今回は、その中央送水所1号配水池更新工事について紹介します。

中央送水所

新たにステンレス構造となった1号配水池(写真中央)と既設の2号配水池(写真右)

紹介動画

今回の更新工事に合わせて、摂津市の水道施設や新しい配水池を紹介するPR動画、2年間の工事の模様をまとめたタイムラプス動画を作成しました。

皆さまぜひご覧ください。

動画サムネイル(事業紹介)
動画サムネイル(タイムラプス)

上の画像をクリックすると、動画が再生できます。(YouTubeサイトへ移動します)

中央送水所1号配水池について

建設当時の写真

建設当時の写真

中央送水所1号配水池は、高度経済成長期における摂津市の地域開発の進行、人口の増加に伴い増大の一途をたどる水需要に対応するため、昭和46年に建設されました。

プレストレストコンクリート(PC)構造で、容量は3,000立方メートル、大阪広域水道企業団より送水される企業団水を給水していました。

運用開始より約50年が経過し、施設の老朽化が進んでいること、現在の基準で計算すると耐震性能が不足していること、コンクリート強度が低下していること等の理由により、既設配水池を取り壊し、新たにステンレス構造の配水池を建設する工事を行うこととなりました。

中央送水所1号配水池更新工事の概要

取り壊し工事の様子

取り壊し工事の様子

中央送水所1号配水池更新工事は、令和2年3月25日から令和4年3月15日までの約2年間で行われました。

工事内容は大きく分けて、既設配水池取り壊し及び撤去工事、新設配水池築造工事、緊急遮断弁設置工事、場内配管取替工事を行いました。

新たな配水池の強みについて

高い防水性能

配水池の内部

配水池内部の様子

コンクリート構造の配水池の場合、打ち継ぎ目等から漏水する可能性があり、配水池内面に防水処理を施すのが一般的ですが、ステンレス構造の場合、水密性(圧力が加わった環境下において密閉した液体が外部に洩れない、または内部に液体が流入しない性質のこと)が高く、内面防水が不要となります。

高い耐震性能

今回完成した配水池の壁面は、最も厚い箇所でも厚みは約1センチメートルしかありませんが、配水池に求められる耐震基準をクリアしています。

維持管理費用の抑制による長期的なコスト削減

コスト比較

ステンレス構造の配水池は、コンクリート構造の配水池と比べて、最初の建設費用は高くなるものの、定期的な内面防水処理が不要であり、維持管理費用は低くなります。

この配水池を100年間使用すると仮定した場合、配水池にかかるトータルコストはコンクリート構造の配水池の約3分の2となる見込みです。

工夫した点について

緊急遮断弁の設置

緊急遮断弁

(左)通常時(全開) (右)地震時(全閉)

今回の更新工事に合わせて配水池に新たに緊急遮断弁を設置しました。緊急遮断弁は、震度5強(加速度250Gal)以上の地震を検知すると右の写真のように弁が自動で閉まり、タンク内の水を貯水することで、地震時に必要な水を確保する設備です。

緊急遮断弁は、中央送水所1号配水池の他、市内の2か所の配水池に設置されています。また、太中浄水場の1号配水池は、緊急遮断弁は設置されていませんが、緊急時に水を貯水できる地下式配水池となっており、この4か所の配水池の容量※1を合計すると約7,740立方メートルの水を確保することができます。

この水量は、大阪広域水道企業団が定める「大阪あんしん水計画」の基準で、地震発生後7日間、全市民※2にとって最低限必要となる水道水が確保できる量です。

 

※1 各配水池における最低水量で計算

※2 令和4年3月末人口86,480人で計算

地震時貯水
企業団大阪あんしん水道計画