生活保護の制度

更新日:2023年03月30日

生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください

生活保護法は、日本国憲法第25条「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。」に規定する理念に基づいた、国民の生存権を保障する国の制度です。

 

生活保護の申請は国民の権利です。生活保護を必要とする可能性はどなたにもあるものですので、ためらわずにご相談ください。

生活保護とは

収入が少ない、もしくは全くないため生活をしていけない方にたいして、最低限の生活を保障するとともに、一日も早く経済的に自立してもらおうというのが生活保護の制度です。

生活保護の原理

無差別平等の原理

すべて国民は、この法律の定める要件を満たす限り、この法律による保護を、無差別平等に受けることができる。(生活保護法第2条)

最低生活

この法律により保障される最低限度の生活は、健康で文化的な生活水準を維持することができるものでなければならない。(生活保護法第3条)

保護の補足性

保護は、生活に困窮するものが、その利用し得る資産、能力その他あらゆるものを、その最低限度の生活の維持のために活用することを要件として行われる。また民法に定める扶養義務者の扶養及び他の法律に定める扶助は、すべてこの法律による保護に優先して行われるものとする。(生活保護法第4条)

生活保護を受けるための要件

生活保護を受けるには、その世帯の人が精一杯の努力をしているということが条件になります。具体的に示すと次のとおりです。

  •  働ける人は十分に働いてください(能力活用)
  •  財産や土地などは、原則としてまず処分して生活費にあててください(資産活用)
  •  親・兄弟・姉妹などの親類で生活に余裕のある人がいれば、その人から援助を受けてください(扶養能力の活用)
  •  年金や失業保険、健康保険など生活保護以外の制度が使えるのであれば、必ず利用してください(他法他施策の活用)

生活保護のしくみ

1.世帯単位の原則

生活保護の制度では同じ生計を営む人たちを一つの世帯と考え、この世帯を単位として、生活保護を受けられるか受けられないかを決めます。よって世帯のうち一人だけが生活保護を受けるというようなことは、原則としてできません。

2.保護の基準(最低生活費)と保護費

世帯の人数や年齢、住んでいる場所などを国の定める基準にあてはめていくと、一ヶ月に必要な最低限の生活費を計算することができます。この金額を「最低生活費」と言います。世帯が実際に得ている一ヶ月の収入と「最低生活費」とを比べて、生活保護を受けられるかどうかを決めます。そして受けられる場合は足りない分を保護費として援助するのです。

援助の内訳

生活保護で援助する内訳としては、次のようなものがあります。

  • 生活扶助
  • 住宅扶助
  • 教育扶助
  • 医療扶助
  • 介護扶助
  • 出産扶助
  • 生業扶助
  • 葬祭扶助

保障されている権利

  • 正当な理由なしに保護の内容は変更されません。
  •  保護費には、税金は課せられません。
  •  保護費は差し押さえられません。

守らなければいけないこと

  • 保護を受ける権利を譲り渡すことはできません。
  •  常に、能力に応じて勤労に励み、支出の節約をはかって生活の維持・向上に努力しなければなりません。
  •  収入・支出そのほか生計の状況で変動があったときは、届け出しなければなりません。
  •  生活の維持・向上などで必要な指導・指示を福祉事務所から受けたときはこれにしたがう義務があります。(正当な理由なく、指導指示にしたがわないときは、生活保護の停止・廃止になる場合があります)